スタイル抜群で、美人っていう役割に徹している。
そこへいくといって、欲張り過ぎたのよね。
美と知性って、2段構えで売ろうとした。
男のマスコミも、それで持ち上げた。
だけど世の女にしてみれば、わけのわかんないアメリカの大学に留学して、信州の地方アナだったぐらいで、知的って言われちゃたまんないっていう気持ちがあるわけ。
あんなレベルで知的なんて、とんでもないっていう反発があるんじゃないの」「ふうーん、女って本当におっかないなあ」Tはため息をつく。
「それにさ、SSって選ぶ男がよくない。
金持ちのディーラーとか、Kとか、バブルっぽい男ばっかりなんだもの。
女って、よく見てるからね。
その女が選ぶ男で、どういう人生をめざしてるか、すごく見抜くのよ」Sさんも鋭いことを言う。
が、私はSさんにかなり同情的なの。
バブルがはじけてからというもの、彼女のような「上昇志向の強い女」というのはとても嫌われる傾向にある。
Kさんの不倫相手と噂される女性しかり、BS波とか地方局から出てきた女はそれだけで、「野心が強い」というレッテルが貼られる。
が、みんながみんな、恵まれたスタートを切るわけではない。
そのハンディを乗り越えようと頑張る女がいる。
私もそのひとりだ。
もしかすると、女たちはSさんに近親憎悪的な思いを、抱いているのかもしれない。
けれども、彼女の容姿はとても手の届かないところにある。
だから「ヤナ女」というひと言で、すませようとしているのだ。
最近いろんな理由があって、急に痩せた。
こんなことは、私の人生始まって以来初めてである。
何しろ食べることにまるっきり興味を失くしてしまったのだ。
痩せるといいことがいっぱいあるが、そのひとつは昔の服が着られるようになったことであろう。
昔の服、といっても5、6年ぐらい前のものだ。
おととしのものもある。
自分でも不思議なのであるが、私には小さめのサイズを買うという習癖がある。
「ダイエットをしたら、これを着よーつと」という希望的観測のもとに購入するのであるが、うまくいったためしがない。
おまけに最近某ブランドのファミリーセールを友人に頼むことが多くなった。
このファミリーセールは、私のよく着ているブランドが、半額から7割引という夢のようなバーゲンである。
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